バルコニーはどれくらい必要?種類・便利な使い方・注意すべきこと
こんにちは、現役住宅営業マンのケイです。
バルコニーは一戸建て住宅で必須の多目的スペース。
洗濯物や布団を干すことはもちろん、2階・3階の庭として使ったり、家族がくつろいだり、様々な用途に合わせて作ります。
中にはせっかく大きなバルコニーを作ったけれど、あまり有効的に使っていないという方もたくさんおられますが、戸建てでバルコニーをつくるのは結構コストが掛かっているのです。
もったいないことにならないように、本記事ではバルコニーの種類や便利な使い方、注意点についてご説明させていただきます!
バルコニー種類
バルコニーと一口にいっても色んな種類と使い方があります。
まずはそれぞれの特徴を見てみましょう。
持ち出し式バルコニー
(Photo:ルシアス シリーズ バルコニー - YKK AP株式会社)
もっともオーソドックスなバルコニーが、この持ち出し式バルコニーです。
庇のように上部を覆いかぶせた形状のため、夏の厳しい日差し対策にもなります。
建物から飛び出したような形状のため、一般的に奥行きは1m前後が限度となりますが、奥行きを広くとりたいときは柱で支えることで延長させることが可能です。
持ち出し式はリフォームで後付けができることも特長のひとつですね。
バルコニー下部に物干し金物を取り付けると、急な雨でも洗濯物が濡れることを防げます。
(Photo:軒天用ホスクリーン | 川口技研)
ルーフバルコニー
(Photo:アイフルホーム ナビ)
部屋の上部がバルコニーになっているものをルーフバルコニーと呼びます。
持ち出し式と違って奥行きを広く取って大きなバルコニーとすることができるので、バルコニーをお庭のように使うときにオススメです。
ただし広く取るためには下の階の部屋も大きく取る必要があるため、コストは余分に掛かってしまいます。
インナーバルコニー
(Photo:http://blog.livedoor.jp/shokenhirakata/archives/8007779.html)
バルコニーに屋根が付いたタイプをインナーバルコニーといい、よく「ベランダ」と呼ばれるものがこれにあたります。
屋根があるので洗濯物を干して出掛けているときに、急に雨が降ってきたとしても洗濯物が濡れずに済ませられるのが最大のメリット。
これは共働き夫婦にも嬉しいポイントですよね。
デメリットは屋根が覆いかぶさっているぶん、部屋に明かりが入りにくく暗くなりがちな点です。
ハイウォールバルコニー
(Photo: シャーウッド | 積水ハウス)
近年増えてきているのがバルコニーの腰壁を通常より高くするハイウォールバルコニーです。
外部からの視線を効果的にカットし、プライバシーの確保をしながらも開放的な空間を演出します。
都心など敷地ぎりぎりまで家を建ててなかなか庭を取れないようなときに、ハイウォールバルコニーを庭のような使い勝手にすることができます。
また外観にアクセントをつけるにもハイウォールバルコニーは有効です。
バルコニーをつくるときのポイント
バルコニーをつくるときに考えるべきポイントと、つけておくと便利な設備をご紹介します。
動線を考える
バルコニーへ出るときの動線についてはあらかじめ考えておく必要があります。
主寝室にバルコニーをつくることが最も多いパターンですが、バルコニーを子ども部屋につくる間取りもあります。
この場合バルコニーへ出るのには必ず子ども部屋を通ることになりますが、洗濯物を干したり取り入れたりするのに年頃の子どもの部屋を毎回通るとなると、親も子もお互いに気を遣うことになりかねません。
そのようなことを避けるためには、ホールや廊下から直接バルコニーに出られるようにしておくと、いちいち各個室を通らずに済みます。
ただし直接バルコニーに出る動線を設けるには、廊下が増えることになるためコスト面では負担が大きくなります。
水栓を設ける
(Photo:アイフルホーム ナビ)
バルコニーに水栓をつけたら良かった、という声もよく聞きます。
外に面しているバルコニーの手すりや床は汚れやすく日々の掃除が必要な場所です。
天気の良い日に布団を干すのにバルコニーの手すりが砂ホコリで汚れていたら、まず雑巾などでキレイに拭き取りますよね。
バルコニーに水栓があればその場で水を出して掃除がしやすいですが、水栓がなければ1階の洗面室やキッチンからバケツに水を汲んで階段を登らなければなりません。
少しでも家事の負担を減らすために、簡単に付けられるバルコニー水栓はオススメです。
コンセントを設ける
バルコニーの掃除に高圧洗浄機や掃除機を使用するならコンセントは必須ですが、「つけたい!」と言わなければ最初からついていないことがほとんどです。
費用もさほど掛かるものでもないので忘れずに取り付けておくとよいでしょう。
広めのバルコニーでちょっとした庭として使うなら、ライトアップのためのコンセントとしても活躍すること間違いなしです。
外部コンセントは防水仕様のため、通常の雨風にあたる分には問題ありません。
注意点
バルコニーを検討する際の注意点を3点ご紹介します。
コスト
バルコニーをつくるのには、コスト面も同時に考えなくてはなりません。
バルコニーで布団を干すことがあると思いますが、4人家族の布団を横並びで干すのであれば、バルコニーの横幅は約3.6mは最低限確保したいところ。
幅が広がれば当然コストは増え、縮めると減ります。
目安としては90cmで10〜15万円くらいになるので、3.6m確保するには40〜60万円程になり、幅を広げるとその分10万円単位でコストが増します。
さらにインナーバルコニーは通常のバルコニーよりも割高になることが多いです。
バルコニーはただ広いだけでなく、使い勝手とコストのバランスを考えるのがよいでしょう。
部屋が暗くなる
(Photo:実例紹介 | 戸建住宅 | 積水ハウス)
持ち出し式バルコニーをつけると、なにも無い場合と比べて1階の部屋が少し日陰になって暗くなります。
部屋の奥のほうまで光を届けて明るくしたいなら、リビングの外側には持ち出し式バルコニーを設けないほうが良いです。
ただしデメリットばかりではなく、夏場の上からの直接的な日差しはカットし、冬場の低い太陽の日差しを取り入れることができます。
夏の暑さ、冬の寒さ軽減には、持ち出し式バルコニーが効果的でもあります。
一方インナーバルコニーは、基本的に外からの直射光は入りにくく、間接光が届く程度です。
部屋は明るくはなりにくいので、寝室など日中あまり人がいないような部屋には問題ありませんが、2階リビングでインナーバルコニーを採用するのは注意が必要です。
防水メンテナンス
(Photo:https://blogs.yahoo.co.jp/tnccf477/5091699.html)
バルコニーの床は塗装や防水シートで覆われていることが多く、経年劣化が進む箇所となります。
そのため劣化具合によって10〜15年に1度、再塗装や防水シートの増し貼り等のメンテナンス工事を要します。
一般的なバルコニーであればメンテナンス工事費用は10〜15万円程度になりますが、広々としたバルコニーであればメンテナンス費用も数十万円とバカにならない負担になります。
広いバルコニーを作るときには、将来のメンテナンス費用のことも必ず確認しておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
たまにあえてバルコニーをつけない家がありますが、住んでからケチらずつけておけば良かったと言われる方がほとんどです。
反対に広々としたルーフバルコニーを作ったけど、あまり有効活用していないという人もおられます。
結局はあなたの家族の生活スタイルによってバルコニーの活用法は異なるため、一概にどれくらい必要かはいえませんが、あとから簡単に増やせるものでもないので、迷っているなら広めにつくっておくと良いのではないでしょうか。