家のメンテナンス考えてますか?建てたあとお金が掛かりにくいポイント
家を購入するときに忘れがちな家のメンテナンスの費用。
マイホームを長持ちさせるには定期的に点検を行い、必要に応じて補修などのメンテナンス工事が必須です。
マンションであれば毎月支払う修繕積立金で計画的にメンテナンス工事が行われますが、一戸建てであれば自分で積み立てしておかなければならず、時期がきたら大きな出費となることがあります。
メンテナンスが全くいらない家は存在しませんが、選ぶ素材によってはメンテナンス費用を大きく削減できることもあるのです。
誰もがメンテナンスになるべくお金を掛けたくないとお考えかと思います。
本記事では、一戸建てにおけるメンテナンスが必要な箇所と、なるべく少なくするためのポイントをご紹介いたします!
メンテナンスが必要な理由
(Photo:住宅外装リフォーム工事専門 株式会社RINOA)
キッチンや浴室など住宅設備は、古くなっても使うことはできるので必ずメンテナンスや交換が必要というわけではありませんが、雨風をしのぐ役割を持っている屋根や外壁は必ずメンテナンスが必要です。
劣化したまま放置すると、屋根から雨漏りしてしまったり、外壁の隙間から雨水が侵入し断熱材がカビてしまったり、ひどい場合は柱や土台などの構造体が腐食してしまい、家の寿命を大きく縮めることになりかねません。
せっかく建てた家を大事に長持ちさせるためには、定期的な点検と必要に応じたメンテナンス工事を行うことが重要です。
主なメンテナンス箇所
まず一戸建てで主にメンテナンスが必要な箇所を知っておきましょう。
外部と内部に分けてご紹介します。
【外部】
屋根、雨どい(軒どい)、外壁、バルコニー床、窓まわり防水、シャッター、防蟻処理など
【内部】
キッチン、浴室、トイレなどの水廻り設備、内装建具、クロス、フローリング、給湯器など
この中でも金銭的にもっとも負担が大きくなりやすいのが、屋根・外壁のメンテナンスです。
バルコニー床や防蟻処理なども含めて、家の外部まわりのメンテナンス費用は間取りによって大きく影響してきます。
外部メンテナンスのタイミング
(Photo:http://nari.jp/osouji-blog/other/post-4952/)
ほとんどの外壁は表面が塗装のため、太陽の紫外線や雨風を受け続けることで、徐々に劣化していきます。
外壁を手で触ると白い粉が付着することを「チョーキング」といいますが、これは塗膜が劣化しているサインで、防水効果が失われているため室内に雨水が染み込んでいく恐れがあります。
また外壁は90cm前後のボード状になっているものが多く、そのボード間の継ぎ目のコーキング(シーリング)が劣化し、ひび割れが発生するため目地の打ち替えを行います。
見た目の面では、排気ガス、黄砂、ホコリなどによる外壁の汚れが年々目立ってきて、お気に入りの外観が非常に残念な姿になってしまいます。
そのため10〜15年ごとに、足場を組んで外壁表面の再塗装や、コーキング目地の打ち替えで100〜150万円ほどのメンテナンス費用が掛かります。
屋根に関しては瓦葺屋根が主流ですが、瓦を載せない陸屋根(フラット屋根)の家もよく見られます。
昔から本瓦の木造住宅が多かったですが、近年では軽量のスレート瓦を採用している住宅が大半を占めています。
(Photo:https://www.nakayama-saiko.com/slate)
スレート瓦は表面が退色してきて防水性能が失われてくるため、約15年に一度は瓦表面の再塗装が必要となります。
30年相当は色褪せがほとんど見られない、表面塗装を高耐久化したスレート瓦も存在しますが、いずれにしても30年前後で屋根下地の防水やり替え及び瓦の葺き替え工事に、100万円以上の費用が掛かることになります。
高耐久スレート瓦は、通常のスレート瓦よりも初期コストは高くなりますが、15年目の再塗装は必要がなくなるためメンテナンスコストを抑えるにはオススメです。
そして雨や紫外線の影響を受けやすく、瓦屋根よりも劣化の度合いが大きくなりがちなのが陸屋根(フラット屋根)です。
陸屋根は10年ごとに防水メンテナンス工事が掛かってしまう可能性があります。
メンテナンス工事を極力避けるには、まず陸屋根は選択肢から外すほうがよいでしょう。
メンテナンスコストを抑えるポイント
もっともメンテナンスコストがかかる外壁において、費用を極力抑えるには「全面タイル貼り」がベターです。
タイルは性質上、表面の劣化や色褪せがほとんどしないため、再塗装等のメンテナンスが基本的に必要ありません。
タイルを現場で貼り付けする工法であれば、外壁に目地が出ず60年相当メンテナンスフリーとなります。
(Photo:https://homes-area.jpn.panasonic.com/tokyo/modelhouse/E1728)
対して工場でタイルを貼った外壁パネルを現場で継ぎ合わせる工法は、継ぎ目のシーリング材の交換は必要になります。
そのため15年程度で目地の交換に費用が掛かってしまいます。
(Photo:https://www.sekisuiheim.com/case/c091/index.html)
いずれのパターンも外壁の塗り替えが必要ないということは共通していえます。
ちなみに外壁の汚れに関しては、一般的なタイルであれば塗装と同様、汚れはついてしまうため定期的に高圧洗浄機などで洗浄を行うことになります。
汚れを防ぎたいとなると「ナノ親水タイル」や「光触媒タイル」を選ぶとよいでしょう。
「ナノ親水タイル」は、分子レベルの薄い水の膜でタイルを覆い、空気中の汚れが水の膜に付着し、雨が降ると膜に滑り込むように汚れも一緒に落としてくれるというサイクルとなっています。
親水性という特殊な作用によって、家の美観を永きに渡って保つことができるのです。
そしてこの親水性に加えて、分解力という働きを持ったタイルを「光触媒タイル」といいます。
自動車の排気ガスのような油分を含んだ頑固な汚れは、親水性タイルでは防げない場合があります。
光触媒タイルは太陽光などの紫外線がタイル表面に当たることで、表面に活性酸素が発生しチリやホコリを寄せ付けず、油性汚れは分解して付着力を弱める作用が働き、雨が降ると汚れを洗い流してくれます。
(Photo:TOTO中部販売の外装建材事業)
光触媒タイルの作用は半永久的に持続し、数十年経っても外壁の汚れが残らずキレイな外観を維持できるのです。
見た目はキレイなまま、塗り替えなどメンテナンスも必要のない外壁タイルは、まさに一石二鳥の外装建材です。
まとめ
一戸建てのメンテナンスでもっとも費用が掛かるのが、外壁と屋根の防水メンテナンス工事です。
これを最小限に抑えるには、外壁には現場施工の全面タイル貼りと、高耐久瓦の組み合わせがベストです。
家を建てる前では、なかなかイメージしにくいメンテナンス費。
しかしここをよく考えておかないと、30年も経てばかなり大きな金額差も生まれることになってしまいます。
あなたも家選びをする際には、初期費用だけでなく住み始めてからのメンテナンス費用やランニングコストにも、ぜひ着目してみてはいかがでしょうか。