「安すぎ」は危険?解体工事の費用と注意点
家を新築するときに建て替えや、古家付きの土地を購入した場合は、既存建物の解体工事が必要不可欠です。
誰もが新築費用のほうに予算を掛けたいので、取り壊しには極力費用をかけたくないと思うのが普通の心境かと思います。
しかし解体工事を請け負う業者を比較すると、金額が全然違うことがあります。
では安ければ安い方が良いのか?
実は相場より「安過ぎる」には理由があって、あなたが思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
今回の記事では、建物の解体工事の注意点について現役住宅営業マンのわたしがご説明します!
解体費用が安すぎる理由
解体工事の費用は、一般的に「解体作業費・重機回送費」と「産業廃棄物処理費」に分かれます。
解体業者が費用を大幅に抑えようと思ったときには、適正な人員を確保せずに無茶な工事、つまり人件費や日数を削減してコストダウンをしようと考えます。
業者によってはかなり荒っぽい作業でひどい騒音や振動を起こしたり、土埃を撒き散らしたりと近隣や通行人などの第三者へも多大なる迷惑を掛けることになってしまいます。
また解体工事で発生する産業廃棄物に関しては、多くの場合は廃棄物処理業者に処理を委託しますが、廃棄物を適正に処理せず、山林などに不法投棄するような悪徳業者が存在するようです。
いずれにしても施主にとっては責任問題に繋がってしまう可能性がありますので、『安すぎる業者』には理由があると考えて依頼するかどうか慎重に検討するほうが良いでしょう。
住宅会社の下請業者
建築する住宅メーカーが決まっている場合は、そのメーカーが指定する業者で解体工事をお願いすることも多いです。
住宅会社に依頼するメリットとしては、きちんとした解体業者に工事をお願いできるということです。
住宅会社の指定する下請け業者であれば、基本的には何度も工事を請け負っていて信頼できる業者のため、近隣住民や通行人などへの配慮もあって比較的安心して任せることができます。
私が担当した建て替え現場は今まで20件近くありますが、近隣クレームは一切発生していないのは当然ながら、丁寧な解体作業、挨拶、掃除や後片付けもしっかりしていたと近隣の方からお褒めの言葉も戴くほどなんです。
また近隣挨拶は住宅会社の担当者が一緒に回ってくれますので、住み替えの場合で住民との面識がなければ心強いポイントですよね。
逆にデメリットを挙げるとすれば、住宅会社の利益が工事費用に上乗せされていることが多く、相場よりは若干高めになってしまいます。
業者によって利益設定は異なりますが、10〜20%程のマージンを余分に支払うことになります。
解体というやや特殊な工程では、安心をお金で買うという保険的考えを持てば決して無駄なお金ではないと思います。
まとめ
解体工事は近隣住民とのトラブルが起こりやすい工程のひとつです。
近隣とのこれからの付き合いを考えると解体工事もしっかりとした業者にお願いしたいところですよね。
住宅会社に頼むのも良いですが、しっかりとした業者であれば一般の業者に頼む方がやはり金銭面ではメリットがあります。
おすすめは解体業者から相見積もりを取って金額や内容をよく比較してみましょう。