陸屋根(フラット屋根)のメリット・デメリットとは?
たくさんある屋根形状のひとつである『陸屋根(ろくやね・りくやね)』。
シャープでスタイリッシュな外観の印象が、20〜30代くらいの若い世代からは特に人気がある屋根形状です。
そんな陸屋根にもいくつかのデメリットが存在し、そのデメリットをよく理解した上で採用しないと後から後悔してしまうことにもなりかねません。
今回の記事では、陸屋根(フラット屋根)のメリット・デメリットを現役住宅営業マンの私がご説明いたします!
陸屋根のメリット
見た目がかっこいい
(出典:へーベルハウスHP)
陸屋根の最大の魅力はやはりそのモダンでクールな外観デザインでしょうか。
キューブを組み合わせたような形で片流れ屋根などを組み合わせるとアクセントにもなってすごく格好良くオシャレになります。
また総二階の四角いボックスのような家も若い世代には人気があります。
窓でアクセントを加えるシンプルな見た目が人気の理由ですね。
(出典:パナソニックホームズHP)
屋上利用ができる
(引用:http://www.hinokiya.jp/hinokiyastyle/style_aozora.php)
陸屋根といえば『屋上』をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
限られた敷地の中で庭を取りたくても取れない場合には、屋上をお庭として使えたら良いですよね。
屋上でバーベキューしたり、ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、洗濯物を干したりと使い方は多種多様です。
屋上を利用するために掛かる費用は、屋上へ上るための階段やペントハウス、落下防止の手すりを設けたりと、屋上の面積によりますが250万円以上の費用が掛かります。
風が強い日には干していた洗濯物が飛んでいってしまったりするようなので注意が必要です。
太陽光発電の発電効率が高い
太陽光パネルを設置するなら、たくさん太陽の光がパネルに当たることが理想です。
寄棟屋根などでは太陽光の容量が南面屋根だけでは足りない場合、東面や西面にもパネルを載せますが、東西面は南面の75〜80%程しか発電することができません。
陸屋根なら南に向けて設置することが出来て、1日中安定した日射を取り入れることが可能です。
同じ容量でも発電効率が高ければ売電量も増えて家計にはありがたいですよね。
陸屋根のデメリット
防水メンテナンスが必要
どんな屋根でも防水や再塗装など定期的なメンテナンスが必要です。
とくに陸屋根は太陽の紫外線が一日中まともに受け続けたり、雨を受け止めたりと、非常に過酷な環境下にあるため、防水処理の劣化度合いが比較的大きくなります。
そのため勾配屋根と比べて、防水メンテナンスの頻度を多く要します。
このメンテナンスを怠ると雨漏りが発生し、家の寿命を大きく縮めるような事態になってしまうリスクがあります。
勾配屋根であれば雨水がきちんと流れていきますが、陸屋根は水勾配をつけてるとは言え、豪雨などでは屋根に水が溜まってしまうということも...。
その原因として、排水溝にゴミなどが溜まっていてきちんと雨水が処理できず、その結果屋根上がまるでプールのようになってしまいます。
そんなことでは雨漏りのリスクが高まってしまうので定期的に点検とメンテナンスをきっちり行いましょう。
ちなみにメンテナンスは10年に一度程度が目安になりますが、ハウスメーカーの判断基準によります。
最上階が夏暑い
陸屋根で「2階が暑すぎる」という不満の声をよく聞きます。
天井に断熱をしているとはいえ、夏の激しい日射を受けると熱がもろに室内へ入ってきます。
対して三角屋根の家は天井と屋根の間には通気層があるため、熱を逃すようになっています。
昔から日本の屋根は三角なのはこの気候風土に合っているからなのです。
陸屋根にすると2階や3階の暑さには覚悟が必要かもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
陸屋根を採用する人は、そのデメリットをよく理解した上でそれを上回る魅力が陸屋根にはあると感じています。
建てたから屋根形状を変えることはなかなかできることではありません。
なるべくたくさんの家を実際の目で見て、あなたが好きだと思える外観の家を見つけてください。
↓↓陸屋根(フラット屋根)を得意とするハウスメーカー
この2社は主力商品が陸屋根のため、ハウスメーカーの中でも実例やノウハウはたくさん持っているでしょう。
ちなみに上記2社は陸屋根以外の屋根形状を選ぶと金額が上がります。