新築の階段選びはデザインだけじゃない!家族の安全のために。
2階建て以上の一戸建てでは必ず存在する『階段』は、上階と下階をつなぎ毎日使用する空間として間取りを考える上でも重要な要素のひとつです。
日頃お客様からは、『リビング階段』か『ホール階段』のどちらを選択すべきか、ということでご相談はよくお受けします。
ただし『階段の形状』ということに関しては、あまり深く考えてない方が多いように感じます。
そして家が出来てから「思っていたよりも階段が急勾配だった。」とか「上り下りがしにくい。」など後悔してしまうことも考えられます。
今回の記事では、階段の形状による使い勝手やそれぞれのメリットやデメリットについて現役住宅営業マンのわたしがご説明させていただきます。
↓↓リビング階段に関しては、こちらの記事をご参照ください。
階段形状の種類
階段の形状ひとつとっても様々な種類が存在します。
直階段
上下階を一直線につなぐ階段で、採用がもっとも多い形状でしょう。
メリットとしては、シンプルな形状のためコストを比較的抑えることができます。
また直階段は省スペースで収まることも良い点のひとつですね。
デメリットとしては万が一、直階段の上のほうで踏み外してしまうと、下まで転げ落ちてしまう可能性があることでしょう。
スペースは必要ですが中央付近で踊場を設けるなどの対策をすることで安全性が上がります。
L字階段
リビング階段でよく採用されるのがL字階段で、その名の通りアルファベットの「L」を描くように階段を上り下りする形状です。
スペースは直階段とさほど変わりませんが多少急勾配となってしまいます。
上り始めに1段だけ段差を加えることで勾配を緩くする、という方法でこちらは解消できます。
ただし廊下や1段出すことで狭くなってしまう場合や、つまずく恐れがある場所には対応できません。
またL字の90度回転するのは上り始めが一般的ですが、上り終わりで回転する形状(ここでは便宜上、上L字階段と呼びます。)も存在します。
90度回転する場所というのは、非常に足を踏み外し易いので、もし上のL字で踏み外すと危険が伴い大事故にも繋がってしまいます。
上L字階段を普通に提案したり施工している会社が普通にありますが、出来ることであれば採用しないことを私はオススメします。
ただしL字箇所を段ではなく平たい踊場にすると、踏み外す危険性が低くなるため採用するのは問題ないかと思います。
折り返し階段
アルファベットの『U(ユー)』を描くように上り下りするためU字階段とも呼ばれる形状です。
直階段などに比べると必要なスペースは多くなってしまいますが、上り下りがし易くてよく採用される階段のひとつです。
ちなみに間取りを考えるとき、階段の下にトイレを収めることがよくあるのですが、その時に折り返し階段が有効になります。
階段下トイレは空間に多少圧迫感があるため、敬遠される方もいらっしゃいますが、実際にはスペースの有効活用ができるので決して悪くはありません。
一般的に階段はなるべくスペースを取りたくない空間なので、折り返し階段でも回転する足元は通常三角形の段差が続き、足を踏み外してしまう恐れがあります。
そんなときに空間に余裕があるならば、踊り場を設けて踏み外し等の事故を未然に防ぐ
ことができるような場所があると良いでしょう。
スケルトン階段
スケルトン階段とは、シースルー階段とも呼ばれ蹴込板(けこみいた)という階段の垂直部分の板や手すり壁がなく、開放感溢れる階段をいいます。
リビングにスケルトン階段があれば、もうそれだけでそのリビングはオシャレな空間になりますよね。
シンプルなつくりのスケルトン階段は、強度を上げるために主要構造を鉄骨で構成していることが多いため、コストは一般的な階段よりも高くはなります。
また幼児がいる場合は、段差の隙間や手すりの間から転落してしまう恐れがあるため、安全性は十分に考慮しましょう。