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耐震等級3の家で安心できますか?地震に本当に強い家とは。

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『耐震等級3相当の家なので地震に強くて安心です!』

こんな営業マンの言葉を聞いてあなたはどう感じますか?

今やいつどこで起きるかわからない大地震に対して、これから家を建てる方にとっては耐震性について全く考えないひとはいないですよね。

ほとんどのハウスメーカーやパワービルダーが『当社の家は地震に強いです!』と自信満々にアピールしていますが、この地震に対しての強さの考え方には大きな差があります。

そしてもう一つ。耐震性能がもっとも優れているといわれている「耐震等級3」を取得していたとしても、これから起こる可能性のある大きな地震に対しては、安心できるレベルではないという事実も世間ではほとんど知られていません。

本記事では、知られざる耐震等級の真実と本当に強い家について、現役住宅営業マンである私の考えを述べたいと思います。

 

 

耐震等級とは?

まずは耐震等級について簡単に説明させていただきます。

耐震等級とは、住宅性能表示制度の「構造の安定に関すること」という項目で、等級1から等級3までの3段階で示されています。

わかりやすくいうと住宅の耐震性能をランク付けしたようなもので耐震等級3がもっとも強い等級となります。

現在の建築基準法で定められている「新耐震基準(1981年6月〜)」を満たすものが『等級1』、その1.25倍の強さを有すると『等級2』、1.5倍まで強さを増すことで『等級3』と評価されます。

ちなみに建築基準法で定められている最低限の耐震性能が等級1ですが、これは震度5強までの中地震に対しては「損傷しない」ようにつくり、震度6強や震度7の大地震に対しては「倒壊しない」という考えで、1回の地震で建物が倒れてしまうことを防ぐようにつくる必要があります。 

言い換えると1回の地震に耐えることができたとしても、2、3度目の余震で倒壊したとしても法律上は全く問題ないということなのです。

国が行っている実験映像ではその裏付けをよく理解することができます。

 


在来木造住宅震動台実験

 

映像の中の右側の実験住宅は、耐震補強によって『耐震等級1』にまで耐震性をあげているため、阪神淡路大震災の揺れに対して壊れながらも倒壊しないで残っています。

建築基準法の考えはあくまで人の命を守ることが最優先のため、建物の倒壊を防ぐことで生存空間が残り、その隙に避難所へ避難することができるということがポイントです。

したがって建物の損傷を防ぐということに関して、震度6強〜7の大地震に対しては全く規制はありません。

つまり国の法律である建築基準法は、人の命を守る法律で建物が地震後にも使えるかどうかは問わないのです。

実際に映像の実験では同じ揺れをもう一度加えると、右側の「耐震等級1」の建物も倒壊してしまうのですが、これも想定内の結果なんですね。

 

「想定外」の熊本地震

2016年4月14日に発生した熊本地震は、観測史上初めて震度7の揺れが2度も襲った地震でその被害も甚大でした。

この熊本地震で何が「想定外」だったかといわれているのは、新耐震基準で建てられた家が100棟近く倒壊してしまっていることです。 

これは先に起きた震度7の前震で倒壊を免れたとしても、前震の26時間後に発生した本震によって倒壊してしまった家屋が多かったとのこと。 

衝撃だったのは築10年未満の耐震等級2(長期優良住宅)を取得している住宅も倒壊してしまい、通常より高い耐震性能を持った家であっても大きな地震が繰り返し発生すると、安心できるレベルの耐震性能を有しているとは限らないという事実が浮き彫りになったのです。 

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(引用:日経ホームビルダー)

このような事実から耐震等級2のわずか1.2倍の耐震性能を有する『耐震等級3』であっても、繰り返す大地震に対しての倒壊リスクは少なくとも可能性はあるといえます。

これが『耐震等級3』の家でも絶対安心ではないという結論です。

 

本当に強い家とは?

東日本大震災熊本地震では巨大地震が繰り返し発生していることから、今後は本震だけでなくその後に発生する余震にも十分に耐えることができる家が本当に強い家だと思います。

倒壊しないことはもちろん構造体へのダメージをなるべく防ぎ、地震後の補修費用を限りなく抑えて、震災前と変わらない生活が続けられるのが理想ですよね。

大手ハウスメーカー各社は、実験施設で様々な地震波を繰り返し建物に与え、建物に致命的なダメージがないことを確認しています。

建てる時の費用は、大手ハウスメーカーは一般工務店などと比較すると数百万円から一千万円以上高くなる場合が多々あります。

しかし万が一のとき高いお金を掛けて建てて良かったと思える日がいつか来るかもしれません。 

30年以内に高い確率でくるといわれている南海トラフ地震への備えとして、地震に強い住宅選びはよく考えて慎重に行いましょう。